人事や総務部門にて社宅管理の業務を担当されている方であれば、社宅管理の代行を業者に依頼する際に使える補助金や助成金はあるのか、気になる方も多いことでしょう。単刀直入に申しますと、「社宅管理の代行」を直接支援する目的で設定されている補助金や助成金というものは、残念ながら存在していません。
しかし、だからといって即落胆してしまうのは早計です。国や自治体が設定している補助金や助成金のなかには、「福利厚生の充実」や「住環境の整備」、「業務DX化」などを支援する目的で設定されているものがあり、それらを間接的に活用することは可能です。以下に、主なものをご紹介しますので、ぜひ知識を深めておいてください。
人材確保等支援助成金
厚生労働省により制定されている助成金で、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上などを図る事業主や事業協同組合などを対象としています。「社宅管理の代行」の費用として適用できる可能性のあるものとして、以下のようなものがあります。
雇用管理制度・雇用環境整備助成コース
雇用管理制度の見直しや業務負担軽減機器を導入することで、離職率の低下目標を達成した事業主に対して、対策した項目ごとに助成金が支給されるというものになります。社宅管理の代行会社が提供するクラウド管理システム・アウトソーシング費を「業務負担軽減機器等」枠で計上できる場合があり、認可された場合は対象経費の1/2、上限額150万円までの費用が支給されるという内容となっています。ただし、クリアしなければならない条件などはなかなか複雑ですので、事前に専門家への相談をおすすめします。
作業員宿舎等設置助成コース(建設業向け)
建設事業主等が、建設労働者の雇用環境の改善や建設労働者の技能の向上等を図るための取組みを行った場合に助成を受けることができます。外部業者と建設作業員の宿舎の管理委託契約を結んだ場合、「運営費」として計画に盛り込むことで、助成金の対象となったという事例があります。
IT導入補助金2025
一見すると社宅管理の代行委託とIT導入は関係ないように思えますが、社宅管理を委託する代行会社が“IT導入支援事業者”として登録している場合は、この補助金を利用できる可能性があります。
元々この補助金は、中小企業や小規模事業者がIT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んだ際に申請できる制度です。
働き方改革・福利厚生系の助成金
こちらも厚生労働省が設定しているもので、「従業員の定着」や「労働時間短縮」、「生産性向上」を目的とした方策の費用が対象。福利厚生費や外部委託費を一部補填できる場合があります。ただし、社宅提供を人材確保策に位置づけ、代行費を計画に含められるかについては、事前に労働局へ相談することが望ましいと言えます。
働き方改革推進支援助成金
「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」を行った場合が対象のひとつとなっており、社宅の管理代行を維持管理体制の充実を目的としたものとして申請できる可能性があります。
キャリアアップ助成金
いわゆる非正規雇用の労働者に対し、正社員化や処遇改善を行った事業者に支払われる助成金です。こちらも、社宅の管理代行を行うことで、処遇改善に取り組んだ方策を実施したとして申請できる可能性があります。
業務改善助成金
生産性向上に資する設備投資などを導入し、かつ最低賃金を一定額以上引き上げた事業主を対象に、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。この場合も、社宅の管理代行を、生産性向上を目的とした設備投資として申請できる可能性があります。
社宅管理の代行委託は、補助金・助成金を使える可能性あり!
以上の通り、現在の日本では、従業員の処遇や待遇、業務効率などの改善を行った事業主に対する補助金や助成金があり、社宅の管理代行も、やり方次第でそうした補助金・助成金の対象として申請できる可能性があります。自社のコスト削減や企業としての魅力向上にもつながりますので、ぜひ検討してみてください。
