社宅管理規定とは、企業が運用管理する社宅を円滑に管理するために必要なルールのことです。ここでは、社宅管理規定を作成する目的と、作成時の注意点をご紹介します。社宅管理規定の雛形も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
【監修】
村上忠礼氏
株式会社タイセイ・ハウジー法人本部副本部長。
1995年の社宅管理代行サービススタート当初より現在まで従事する、社宅管理のプロフェッショナル。
社宅管理規定を作成する
目的
社宅管理規定とは、社宅の賃貸、使用、管理について注意点などをまとめたルールのことです。社宅を管理する企業が定めます。
「わざわざ定めなくてもいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、10人以上の労働者を雇用している企業では、社宅規定を管轄の労働基準監督署へ届け出ることが、労働基準法第89条第1項によって定められています。
また、トラブルを防止し、管理をスムーズに行うためにも社宅管理規定は必要です。
社宅管理規定で明記しておくと良いポイント
社宅管理規定で明記しておくべきポイントは、一般的に以下の8つです。
- 入居者の資格・条件
- 賃料の負担額
- 会社からの距離
- 間取りの制限
- 入居期間
- 退職時の対応
- 規定違反の対処法
- 入退去手続き
入居資格とは、「独身者のみ」「配偶者や扶養者がいる場合、親、子供まで」といった条件のことです。特に、全員が利用できない場合は、条件を明記しておかないと社員に不公平感を与えるかもしれません。
賃料や会社からの距離、間取りなども明記しておけば、物件探しの際にスムーズです。
特に注意したいのが、規定違反の際の対処法です。
「重大な規定違反を行った場合は立退きを命じることができる」「立退きを命じられた場合は○日以内に退去する」など、規定に違反した場合の罰則などもしっかり記載しておくと、社員の規定違反のリスクを抑えることが可能です。
社宅管理規定の雛形
とはいえ、社宅管理規定を一から作成するのは簡単ではありません。以下に社宅管理規定の雛形を掲載するので、ぜひ参考にしてみてください。
第1条(目的)
この規定は、社員の福利厚生の向上のために、株式会社◯◯の社宅の管理および運用に必要な事項を定める。
第2条(入居資格)
社宅の入居資格を有する者は、独身社員及び配偶者または同居する3親等以内の家族がいる社員とする。ただし、会社が特別に認めた場合はこの限りではない。
第3条(入居申込み)
社宅の入居を希望する者は、所定の申込書に必要事項を記入して担当部署に提出しなければならない。
第4条(入居手続き)
入居を許可された者は、入居日までに入居誓約書を提出しなければならない。指定日までに入居しなければ、入居を取り消すことがある。
第5条(入居期間)
入居期間は入居してから満◯年間を上限とする。期間満了後は、直ちに退去しなければならない。
第6条(使用料)
社宅の使用料は月額賃借料の◯◯%とし、毎月会社に支払わなければならない。なお、社宅の使用料は当月分給与から控除するものとする。月の途中で入居または退去する場合の使用料は日割り計算とする。
第7条(費用負担)
入居者は下記の費用を負担しなければならない。
- 電気、ガス、水道使用料、清掃衛生費
- その他会社が入居者負担と認めた費用
第8条(敷金・礼金)
社宅の仲介業者に支払う仲介料、家主に支払う敷金・礼金は会社負担とする。
第9条(退去手続き)
入居者は、社宅を退去する場合は〇〇日前までに所属長を経由し、所定の退去届を担当部署に提出しなければならない。退去する際は、担当部署の点検を受け、原状に回復してから返還するものとする。
第10条(退去事由)
入居者が次の各号に該当する場合は、〇〇日以内に退去しなければならない。ただし、会社がやむを得ないと認めた場合はこの限りではない。
- 退職または解雇によって社員でなくなったとき 期限〇〇日
- 転勤または転居で社宅から通勤できなくなったとき 期限〇〇日
- 規定に違反し、退去を命じられたとき 期限〇〇日
- 住居を取得したとき 期限〇〇日
第11条
その他、総務部長の判断により決定する。
附 則
この規定は、令和〇〇年〇〇月〇〇日から実施する。
社宅管理規定は、作成して終わりではなく、必要に応じて内容を見直し、変更していかなくてはなりません。また、社宅提供後は社員が規定を守れているかどうか、随時チェックすることも大切です。
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