せっかく社宅を用意しているのに、社員に「入居したくない」と避けられるケースがあります。ここでは、なぜ「住みたくない」と思われてしまうのか、原因と入居者を増やすための対策について解説します。
【監修】
村上忠礼氏
株式会社タイセイ・ハウジー法人本部副本部長。
1995年の社宅管理代行サービススタート当初より現在まで従事する、社宅管理のプロフェッショナル。
社員が社宅に
住みたくない原因
建物や設備が古く、住みにくい
まず考えられるのは、建物や設備が老朽化しているケース。キッチンやトイレなど水回りの設備が古かったり、室内に洗濯機置き場がなかったりすると、住みづらく、避けられる傾向にあります。
現代の生活様式に合わない間取りも同様です。リビングとダイニングの空間が分離している、壁が薄くて隣の生活音が聞こえる、和室中心で洋室がないような物件は人気がありません。害虫やカビが発生しやすい、耐震性に不安がある場合も、入居を避ける人が多いでしょう。
ただし、家賃を非常に安く設定することで、ライフスタイルよりも住居費の節約を重視する社員は入居してくれるかもしれません。
ペットを飼えない
ペットNGの社宅の場合、現在ペットを飼っている、これから飼おうと考えている社員は入居できなくなります。最近はペット可の賃貸物件が増えているため「多少家賃が高くても、飼えない社宅より賃貸の方がいい」と考えるかもしれません。
だからといって、安易にペットOKにするのは考えものです。飼育を許可することで敷金が高くなったり、退去時の原状回復工事が高額化したりする場合もあります。他の社宅対象者との公平性を考慮したうえで、慎重に検討しましょう。
プライベートが守られない
同じ会社・職場の社員が多く暮らす社宅では、職場の同僚や上司、その家族と顔を合わせる機会が多く、仕事とプライベートの切り分けが難しくなります。来客の制限や、門限が決められているような社宅では、さらに窮屈な思いをするでしょう。
社員本人はもちろん、その家族まで行動を制限されるような場合、「少々家賃が高くても自由な賃貸物件に住みたい」と考えるのは当然かもしれません。
社宅の入居希望者を
増やすための対策
社宅の入居希望者を増やすためには、社員が「住みたい!」「住み心地がいい!」と思えるような住環境にすることが大切です。
リフォームやリノベーションを行う
建物や設備が古く、住みにくい場合は、リフォームやリノベーションを行うのがおすすめです。2DKから1LDKに間取りを変更したり、キッチンやトイレ、浴室の設備を入れ替えたり、老朽化したフローリングや畳、壁紙を貼り替えたりしてみましょう。
近年は、共用部にワークスペースやトレーニングジム、ラウンジやゲームコーナーなどを設けることで、付加価値を高めている社宅もあります。
全面的なリフォーム・リノベーションが厳しい場合は、ハウスクリーニングを実施して汚れやカビを除去したり、防虫・防カビ効果がある断熱材を入れたりして快適性の向上を図ってみてはいかがでしょうか。
借上社宅に切り替えて、
社員が物件を選べるようにする
社有社宅が老朽化している場合は、社有社宅を廃止して借上社宅に切り替えるのも一つの手段です。社宅規程の範囲内で社員が自由に物件を選べるようにすれば、入居希望者の住む場所が分散化されます。仕事とプライベートの切り分けもしやすくなるでしょう。
ただし、借上社宅の戸数が増えるほど契約管理や家賃の支払いなどに関する業務の負担が増える点は要注意です。
せっかく用意した社宅を社員に利用してもらうためには、リフォームやリノベーション、防虫・防カビ対策などをしっかり行い、社員が快適かつ安全に過ごせる住環境を整えることが大切です。
リフォームやリノベーションにかける費用がない場合や、それでも入居希望者が見つからない場合は、借上社宅に切り替えるのも一つの手段です。
借上社宅の運用負担は、外部の事業者に委託することで軽減することができます。受託企業数や受託管理件数、全国の直営店数など、実績の豊富な代行会社なら、社宅の運営だけでなく会計処理や節税対策などもトータルにサポートしてくれます。
