ここでは、社宅に関するさまざまな費用に関して、消費税がどのように課税されるのか、解説します。
【監修】
村上忠礼氏
株式会社タイセイ・ハウジー法人本部副本部長。
1995年の社宅管理代行サービススタート当初より現在まで従事する、社宅管理のプロフェッショナル。
社宅の費用に関する
消費税の取り扱いとは?
消費税は、商品の販売や、サービスの提供に対して課税される税金です。商品・サービスの提供を受ける消費者が負担し、提供者側である事業者が国に申告・納付する仕組みとなっています。
2024年6月現在の消費税の標準税率は10%(国が7.8%、地方が2.2%)、一部飲食料品については軽減税率8%が適用されています。
社宅に関する費用として考えられるのは、社宅の借上料(家賃)や、社員から徴収する社宅の使用料、敷金や礼金、共益費、更新料、保証会社の保証料などです。これらは、国が定めた消費税法で全て非課税とされています。
社員から徴収する
社宅の使用料
社宅の賃料は非課税です。借上社宅の場合は、企業が支払う借上料と、社員が支払う家賃、どちらの場合でも、金額の大小にかかわらず消費税はかかりません。
ただし、社宅の利用期間が1ヶ月未満の場合や、旅館、ホテル、貸別荘、リゾートマンション、ウィークリーマンション等の賃料は課税対象です。特に、旅館業に該当する施設を社員に貸し出す場合は、消費税が課税されることを認識しておきましょう。
また、社宅の修繕や備品購入、共用部の清掃などにかかる費用は消費税の課税対象です。駐車場も、一定の条件を満たさない限り課税対象となるので注意してください。
社宅の費用に関する
仕訳方法
社宅に関わる取引ごとに、会計の仕訳方法は異なります。借上社宅における一般的な勘定科目と仕訳の仕方を見ていきましょう。
まず、借上社宅の家賃については非課税の扱いです。非課税仕入に該当することとなり、仕入税額控除の対象外となります。
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 地代家賃 | 普通預金 |
| 税区分 | 非課税仕入 | ₋ |
借上社宅の敷金を支払う場合と受け取る場合の仕訳は以下のとおりです。
支払い時の仕訳
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 敷金 | 普通預金 |
| 税区分 | 不課税取引 | ₋ |
受取時の仕訳
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 普通預金 | 敷金 |
| 税区分 | ₋ | 不課税取引 |
借上社宅の仲介手数料を支払う場合の仕訳です。仲介手数料は課税対象です。
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 仲介手数料 | 普通預金 |
| 税区分 | 課税仕入 | ₋ |
社宅ではなく住宅手当を
支給している場合の
消費税はどうなる?
通常の給与に家賃分を上乗せして支給する「住宅手当」は、直接的な家賃の支払いではなく、社員の「給料の一部」として支払っています。このため「給料手当」などの「給与に関する勘定科目」として処理されます。給料支払いは消費税法で課税対象外取引とされているため、非課税です。
社宅の消費税は費用の
種類で正しく分類しよう
住宅家賃は、消費税法において非課税と定められており、借上社宅についても同様に扱われます。このため、社宅の借上料や社員から徴収する使用料、敷金や礼金、共益費について消費税は課税されません。
ただし、社有社宅における物件の取得費、社宅の維持費や仲介費については消費税の課税対象です。会計処理を行う際には、どの費用に課税されるのか・されないのかをきちんと理解して仕訳を行いましょう。
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