社宅管理代行サービスの利用を検討する際、特に気になるのが利用料金ではないでしょうか。ここでは、社宅管理代行サービスの料金について解説します。

【監修】
村上忠礼氏
株式会社タイセイ・ハウジー法人本部副本部長。
1995年の社宅管理代行サービススタート当初より現在まで従事する、社宅管理のプロフェッショナル。
業務内容によっては
費用がかかる
社宅管理業務は範囲が広く、内容も多種多様なため、社宅管理代行サービスの費用について「いくら」と言うことはできません。
一口に社宅と言っても「社有社宅」と「借上社宅」があり、それぞれ管理に必要なサービスが異なります。また、企業によっても委託したい業務の内容が違うため、「ケースバイケース」としか言えないのです。
ただし、一般的にはサービスを利用することで2割~3割程度のコストダウンが図れると言われています。実績豊富な代行会社なら、予算をヒアリングした上で、適切な金額を提示してくれるでしょう。カスタマイズ可能な会社に一部業務のみを代行してもらい、金額を抑えるのも一つの手段です。
まずは複数社から見積もりを取って相場感を確認してみましょう。見積もりを比較することで、後悔の少ない業者選びが行えます。
社宅管理代行費用の
見積もり時の注意点
社宅管理代行会社から見積もりを取得する際は、2つの点に注意してください。
- 代行会社に委託する目的や委託したい業務を明確にしておく
- 料金プランが明確かどうか確認する
代行会社に委託する目的や
委託したい業務を明確にしておく
「なんとなく楽になりそうだから」と漠然としたイメージで見積もりを取ってしまうと、必要以上のサービスを提案され、高額になる可能性があります。
まずは、社宅代行サービスを利用する目的を明確にしましょう。業務負担軽減、コスト削減、管理品質や従業員満足度の向上、法令遵守(インボイス制度・マイナンバーなど)、法改正対応、属人化の解消など「代行会社に委託することでどうなりたいか」を考えます。
次に考えるのが、現状の社宅管理業務のうち、どの業務を委託するのか。社宅代行サービスに依頼できる業務は、物件の紹介、契約・更新・解約の管理、家賃の支払いおよび入金管理、支払調書の作成、相談・苦情対応、リフォームの手配、社有社宅の資産管理や建物管理などさまざまです。
代行会社によっては対応していないサービスもありますが、「何を委託したいか」が明確になっていれば、代行会社選びもスムーズです。必要に応じてサービス内容をカスタマイズできる会社なら、無駄なくサービスを利用できるかもしれません。
料金プランが明確かどうか
見積もりで確認したいのは、業務ごとの金額が明記されているかどうかです。全体的な費用だけでなく、どの業務にどれくらいの費用がかかるのかが詳しく記載されていれば安心できるでしょう。
借り上げ社宅の場合は1戸あたり1,000円~2,000円程度の手数料もかかります。初期費用や月次の料金などもよく確認してみてください。
安さだけを謳う代行会社には気をつけたいところ。必要なサービスが含まれていなかったり、入居者へのサポートが疎かにされたりする可能性があります。
社宅代行会社によっては、1日1万円程度で日割り計算をしたり、セキュリティへの配慮などを加味して金額を高く設定したりするケースがあるようです。また、追加料金やオプションなどが不当に請求されている場合もあります。

社宅管理業務は業務範囲・内容がさまざまなため、社宅管理代行サービスの費用相場を算出することは困難です。しかし、複数社から見積もりを取ったり、見積もりの内容を慎重に確認したりすることで無駄なく委託をすることは可能です。
代行会社に委託する目的や委託したい業務を明確にした上で、自社に合った社宅管理代行サービスを選んでみてください。