社宅制度の導入を検討している方の中には、社宅の節税効果について気になっている方も多いのではないでしょうか?ここでは、社宅を経費にするための要件や、社宅を経費にするメリットをご紹介します。
【監修】
村上忠礼氏
株式会社タイセイ・ハウジー法人本部副本部長。
1995年の社宅管理代行サービススタート当初より現在まで従事する、社宅管理のプロフェッショナル。
社宅を経費にするための
要件とは
結論から言うと、借上社宅を社員に貸し出し、一定の賃料を受け取ることで、節税効果が得られます。
仕組みとしては、まず会社が賃貸物件を借りて、貸主に支払う賃料を「地代家賃等」として経費にします。そして、居住する社員から一定の賃料を受け取ります。
この際、会社が支払った賃料と、受け取った賃料の差額を経費に計上することができます。社宅の賃料を経費として計上することで法人税を抑えられ、節税効果が期待できるのです。
一定額の家賃を
徴収すること
節税効果を得るためには、社員から賃料相当額の50%以上となるよう家賃を設定しましょう。無償で貸し出すと賃借料相当額が給料と見なされ、課税されてしまいます。
なお、計算の基となる「賃貸料相当額」は、企業が家主に支払う賃料のことではなく、独自の計算方法によって算出します。
- (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
- 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル)
- (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
以上、3つの金額の合計額で求めることができます。
社宅を経費にするメリット
社宅を経費にすることで、企業側では賃料を経費として計上できるため、節税効果が期待できます。また、社員満足度の向上や離職率の低下、人材確保の面でもメリットが得られます。社員側としても、所得税や住民税の負担が増えない点でメリットを得られるでしょう。
役員に社宅を貸し出す
場合の注意点
社員だけでなく、役員も社宅を利用することができます。この場合も、賃料の一部を経費に計上することで法人税を節税することが可能です。
ただし、すでに役員個人で契約している賃貸マンションやアパートの賃料を経費に計上することはできません。社宅として扱うためには、賃貸物件の契約者と賃料の支払いを会社に変更する必要があります。
都道府県税事務所で固定資産評価証明書を取得して、経理処理をしっかり行えば、8割以上を経費に計上することが可能です。賃料を経費に計上することで法人税を節約できるだけでなく、役員の報酬も減額できるため、会社が負担する社会保険料を抑えられるでしょう。
社員に社宅を貸し出す
場合の注意点
「社宅を導入すれば節税効果が期待できる」と安易に考えるのは要注意です。しっかりポイントを押さえておかないと損をする可能性があります。
前述のように、賃料負担が軽すぎたり無償で社宅を貸し出してしまうと、会社が負担している賃料が給与と見なされ、会社・社員ともに税負担が大きくなる可能性があります。
また、社宅を貸し出す際は、社宅規定を作成しておくことが大切です。入退去の要件や手続き、光熱費の費用負担などについてしっかりと記載しておかないと、後でトラブルに発展する可能性があるので注意してください。
社宅と住宅手当の違い
福利厚生として、社宅ではなく「住宅手当」を支給している企業もありますが、住宅手当は、給与に上乗せして支給されるものです。
給与に上乗せされた分、所得が増えるため、社員は所得税や住民税が上がり会社も給与が増えたことで社会保険料の負担が大きくなってしまいます。住宅手当では、節税効果どころか税負担が大きくなるので注意が必要です。
社宅管理をスムーズに行い、しっかりと節税効果を得るためには、さまざまな専門知識が必要です。おすすめなのが、代行会社に社宅管理をアウトソーシングすること。
受託企業数や受託管理件数、全国の直営店数など、実績の豊富な代行会社なら、社宅の運営だけでなく節税対策などもトータルにサポートしてくれます。
